筑波山 重力検定路線

久しぶりの更新です。

学部3年生向けの講義に土木コロキウム(正式名称は忘れてますが…)というのがありますが、今年度はこの科目の担当を申し出てみました。基本的には助教の先生方に担当していただいている科目ですが、諸般の事情により人員が減ってきているため、講師以上の教員も協力できるならする、ということになった機会に手をあげてみました。

コロキウムを担当したのはもう10年近く前、構造系の助教さんの異動にともなって担当する人がいなくなったため構造系の教員で分担して担当したとき以来です。前回は不可抗力でしたが今回は自律的意思によるものです。ただし、私が提案するテーマをやりたいという受講生がいない場合は、無理やり受講生を割り振る、ということはやらないようにお願いをしました。せっかくのコロキウムなのにイヤイヤやらされる、というのは受講生が気の毒過ぎますから。

実は、誰も希望者はいないだろうとタカをくくっていたのですが、意外にも希望者がいた、ということであわてて準備をすることになってしまいました。テーマは重力計で地球の重さを測ろう、ということにしていましたが、要するに重力測定をする、というだけのことです。

ただ、借り物の相対重力計の性能がよくわからないのでそれを検定する、という私自身の切羽詰まった目標のクリアも兼ねていました。

まずは、トンネルに重力計を数日放置して、地球潮汐が測定できるかどうか確認しました。次に本学で一番の高層棟である、すずかけ台キャンパスのJ2棟とJ3棟で重力を測ってフリーエア係数がちゃんと求められるか試してみました。

重力計はLaCoste & RombergのG型です。ダイアルの回し具合で大きく誤差がでるので、測定には職人技が求められます。さすがに、はじめて重力測定をやった学生さんに精度を要求するのは無理難題であったようで、悪くはないけど素晴らしい結果、というわけにもいきませんでした。

はっきり言って私もかなりへたくそです。慣れると若い人の方が抜群によい精度で測定できるようになるので悔しい思いをしています。

コロキウムのイベントとして発表などをしてもらうことになっていますが、その前に観測の締めくくりとして筑波山の重力検定路線で測定をしました。これは、重力測定の神様みたいなマニアックな方が重力計の性能を評価するために高低差の大きい筑波山の麓から頂上にかけて10箇所以上の地点で精密な絶対重力値を決めたもので、性能が未知の重力計を使ってその場所で重力を測定し、その絶対重力値を正しく再現できるか確かめるものです。10年ほど前に一度だけ調子が悪くなった重力計の検定のためにこの検定路線での測定をしたことがありますが、今回は本当に久しぶりの検定でした。

ロープウェイは営業時間の制約があるのでまずは女体山の山頂の三角点での観測を優先します。写真のコンピュータを置いている石が三角点の標識です。

 

 

 

 

 

 

 

いったん山をおりて麓から少しずつ標高をあげながら山の中腹に至る道路に沿って記録をとっていきます。けっこう、山深い場所に重力基準点が設定されています。

 

 

 

 

カンカン照りではなかったとはいえ、暑くて湿気がひどくてはじめての野外観測だった学生さんにはたいへんだったかもしれません。朝、8時半頃から観測をはじめて撤収したのが日が暮れる18時半すぎでした。

機材を自動車に片付けてドアを閉めた途端に、雨が降ってきて瞬く間に土砂降りの雷雨になりました。よほど日頃の行いの良かった人がいたのでしょう。危ないところでした。

オフィスでコンピュータに向かっているのに比べるといくら暑くても私にとってはずっと楽しい作業でした。

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