2011年東北地方太平洋沖地震被害調査報告(第三報)

宮城県〜岩手県南部の調査

Rev. 1.0 (2011/03/22)

2011年東北地方太平洋沖地震被害の現地調査報告の続きです。第一報はこちら第二報はこちらです。

11. 岩手県の被害

東北新幹線が岩手県紫波町と花巻市の境界を通過する周辺では,特に被害はないようでした。北上川をわたる橋梁のすぐ北で車両が停車したままになっていましたが,この場所から南へ6.5 kmほどの区間では架線柱の傾斜などもなく,構造体についても外観からすぐにわかるような被害はありませんでした。また,周辺の建物にも被害は見られませんでした。
(E141°10’26.81, N39°30’27.50)

仙台空港が使えなくなったため,いわて花巻空港は被災地にもっとも近い民間空港として早期の復旧が望まれていました。ターミナルビルの2階部分で被害があったようで我々が行ったときには2階の出発ロビーを閉鎖していました。そのため,1階の到着ロビーを出発ロビーとして使い,地上の貨物ターミナルを到着ロビーとして使うという方法で運用されていました。ターミナルビルは外観からは被害があるようには見えず,また外から見える範囲では2階の被害がどのようなものであったかはわかりませんでした。
(ターミナルビル)
(貨物ターミナル;E141°8’20.13, N39°25’16.21)

国道4号線沿いのアミューズメント施設の天井が落ちていました。かなり高い吹き抜けから長い吊り金具で天井を吊っていたようで振幅が非常に大きくなって落下したのかもしれません。
(E141°6’47.49, N39°19’02.08)

北上市の中心部を流れる和賀川をわたる九年橋は大正11年に完成した古い橋でそもそも沓なんてなんだかよくわからないような形式の橋です。アバットメントへ桁が衝突しないように防護工だけはなされているようですがあまりメンテナンスもされていないように見えました。この橋はまったく損傷はないようでした。

もともとは明治9年に架けられた橋のようですが,流出などにより何度も架けかえられているようで,橋脚などは昭和に入ってからのもののようです。その際,桁だけ大正期のものを使い回したのかもしれません。
(E141°6’44.68, N39°16’31.26)

九年橋の西側には県道254号線が和賀川をわたる九年大橋があります。こちらはモダンなPC橋のようでかなりゴツイ印象の橋です。アバットメントが少し沈下し,また,桁が移動して(?)橋梁の中間部の2ヶ所の橋脚上で桁間にかなり(それぞれ15cmずつほど)の隙間ができていました。
(E141°6’25.19, N39°16’35.09)
(E141°6’27.63, N39°16’39.06)
(E141°6’33.61, N39°16’47.75)

3/12〜17の調査の報告は以上です。第一報へ戻る。
福島県南部〜茨城県北部の調査報告はこちら
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(文責:盛川仁)

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